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 このたび長年の研究の成果として、人類史上初となる「笙の発音メカニズム」の物理的な解明に成功しました。その理論をもとに現在製作されている笙を検証したところ、現存するすべての笙が理論上誤っていると いう結論に至りました。その誤りが何時の時代から始まったのかを追跡調査したところ、正倉院に保存されている笙だけが物理学の理論通りに作られているという事が判明し 、正倉院より公開された資料をもとに正確な復元作業を行った結果、現在の笙とはまったく異なる音色になることが判りました。
 今から約1,300年前の聖武天皇の時代に唐から献上されたか、遣唐使が持ち帰ったと考えられる正倉院の笙が、その後正しく継承されずに現在に至ったということになります。このような驚くべき事実の原因は今後の研究に委ねるとして、理論上の誤りは正 して行くべきだと考えます。
 何しろ、1,300年かけて徐々に変化したのでは無く、日本国に渡来した後の早い時期から間違えていたことが判明したため、笙の製作者に与える衝撃は大きいものと思います。 これまで笙の製作や調律に携わった方々が、この事に気付かなかったのが不思議で、これまでの1,300年間いったい何をして来たのかと思います。楽器という物は、美術工芸品では無く実用品で、しかも完璧な物理学の世界で考えなければならない筈なのに、永々と先人の製作した作品の模造を繰り返して来ただけだったという事に落胆の念を覚えます。

 
  

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